Ciao! Journal no.12
3月 13, 2018
イタリアで日本の藍染め。モノ作りが戻ってくる「未来」に期待し、まずはファッションの国イタリアで活動を展開する。
3月 16, 2018

日本とイタリアのデッドストックテキスタイルに新たな価値を。

イタリアファッションの中で生きる日本の若者 その①
大河内愛加の場合

 2006年にミラノに移り住み、当時高校1年生だった私は現地の美術高校へ入学しました。最初はイタリア語もほとんどわからず苦労をしたのですが、徐々にこちらの生活に慣れてくると今度は日本への興味が薄くなっていきました。しかしそんな私の意識を変える出来事となったのが、7年前の東日本大震災でした。
 私はその時、高校最後の5年生でした。日本中の人たちが大変な思いをしている中、私はミラノで祈ることしかできない、何かできることはないかと考えていた時に、通っていた学校での募金を思いつきました。私は学校で唯一の日本人なのだから今の悲惨な母国の状態をしっかり私の口から伝えようと決心しました。理事長もすぐに同意してくれ、義援金を募る私からの手紙を学校全体に配布してくれることになりました。私の学校は元々チャリティー活動にも積極的だったので、いざ募金が始まると沢山のお金が集まりました。
 震災から一刻も早く立ち直ろうとする日本に心を動かされ、これまで日本から目を背けていたことを恥じました。そしてこれからは海外に住む日本人として私にしかできないことをしていきたいと強く思いました。多くの人の命を奪った惨劇でしたが私にとっては母国を見直すきっかけでもありました。
 現在私は「イタリアと日本を繋ぐ」という信念のもとフリーランスとして活動しています。2016年は日本とイタリアの国交樹立150周年と私がイタリアに来て10年目という、ふたつの節目が重なった年だったので、両国を結ぶ「象徴となるモノ」を形にしたいという思いから、イタリアと日本のデッドストック生地を使った、スカート専門ブランド “renacnatta”(レナクナッタ)を立ち上げました。ブランド名は、日本の着ら「れなくなった」着物とイタリアの使わ「れなくなった」シルクを新たなものへと生まれ変わらせる、というコンセプトに由来しています。日本の反物とイタリアのシルクを融合させることで、それぞれがお互いを生かし合い、単体でいる時よりも更に輝けるようなスカート、シンプルなフォルムの中に私のフィロソフィーが詰まったスカートです。
 これからも、自分を成長させてくれた日本とイタリアを繋げられるような活動を続けていきたいです。

 

日本限定オンラインショップ:http://renacnatta.theshop.jp/
ミラノ取扱店:Via Salasco 25, Milano
Mail: renacnatta@gmail.com
FB: Renacnatta – レナクナッタ
Instagram: @renacnatta

着物特有の「巻く」「たくし上げる」からヒントを得た “renacnatta” のスカート。一着で様々な着こなしを楽しめる。

大河内愛加(おおこうち あいか)

1991年、横浜市生まれ。2006年、家族と共に渡伊。ミラノの美術高校、デザイン専門大学IED卒業。2016年から「イタリアと日本を結ぶ」をテーマにミラノと京都を拠点としてファッションディレクター&デザイナーとして活動。

(Ciao!Journal no.12 2018年3/4月号より)
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