この夏、東京バレエ団がミラノ・スカラ座に!

あの 東京バレエ団がミラノ・スカラ座に やって来る。

 

写真©️ Kiyonori Hasegawa

 1964年創立の当カンパニーは、もはや世界的に重要なバレエ団である。自らの公演を通して日本の観衆にクラシックバレエというものを紹介し、ひいては西洋文化の普及に貢献してきた。そして、モダン、ネオクラシック作品を含むレパートリーの豊富さも、このバレエ団が世界中で人気を誇っている理由のひとつである。そこにはベジャール、ノイマイヤー、キリアンといった20世紀の振り付け家たちによる、独創的な作品も含まれている。

 東京バレエ団は1986年から2010年にかけて、スカラ座で何度か公演を行っている。特に2010年には、当カンパニーの海外公演通算700回記念のスペシャル公演として、あの素晴らしい「ザ・カブキ」をスカラ座にて披露した。

 今回は、このカンパニーの幅広いレパートリーを示すものとして、20世紀の三大コレオグラファーであるバランシン、キリアン、ベジャールの作品を上演する。演目は『セレナーデ』と『ドリーム・タイム』、そしてベジャールの名作『春の祭典』。

 加えて、やはりなんといっても、同じくベジャールによる『ザ・カブキ』だ。東京バレエ団の数多いレパートリーの中でも特に賞賛を受けている作品を、今回再びスカラ座で鑑賞できる。モーリス・ベジャールは多くの代表作の上演を同カンパニーに託したが、『ザ・カブキ』は、正にこのカンパニーのためにかの偉大なコレオグラファー制作した作品なのである。

 バランシン、キリアン、ベジャール。東京バレエ団の必見の三部作。多才な当バレエ団の素晴らしい看板作品

セレナーデ

 ロマンティックな月の光。優雅なステップの完全なる調和、チャイコフスキーの卓越した音楽。バランシンの素晴らしい振り付けによる歴史的な作品である。

ドリーム・タイム

 目に見えぬもの。それは、私たちが実際に目にしているものと同じくらい重要であることを知らしめる作品。伝統、そしてオーストラリアの先住民アボリジニの踊りに、キリアンは深い関心を寄せた。日本の著名な作曲家である武満徹との魅惑的な共同作品である。

春の祭典

 時代の風に乗って、新しい見地から古典バレエを読み解いたベジャール。自身の発する大いなるメッセージに、ストラヴィンスキーの革新的音楽を重ねた。誰もが認める傑作である。

 

 モーリス・ベジャールと、著名な作曲家である黛敏郎、そして東京バレエ団との緊密な共同作業によって生まれた傑作

ザ・カブキ

 モーリス・ベジャールと、著名な作曲家である黛敏郎、そして東京バレエ団との緊密な共同作業によって生まれた。

 1986年、東京における初演での不評を経て、今やこの演目は東京バレエ団のレパートリーの基幹をなす。『ザ・カブキ』は今日まで世界16カ国において、のべにして197回上演されてきた。歌舞伎の演目『仮名手本忠臣蔵』を題材として振り付けられたものである。

 伝統的な日本のパフォーマンス芸術である歌舞伎と武士道。それをダイナミックかつ革新的にバレエと融合させたこの作品は、間違いなくベジャールの傑作の一つである。

11,12 luglio 2019【Serenade, Dream Time, Le Sacre du printemps チケット購入】→ click

13,14 luglio 2019【The Kabuki チケット購入】→ click

 

Team balanco|イタリアに似合いすぎる家具

 ミラノの一大イベント「ミラノサローネ国際家具見本市」の季節がやってきた。ミラノの隣町Rho(ロー)市にあるフィエラ会場にて行われる、世界最大級のインテリア&家具展示会だ。そしてその開催に並行して、例年ミラノ市内では「フォーリサローネ」(「見本市の外で」といったニュアンス)が行われる。企業や個々人のアーティストが市内のあちこちに散らばって一斉に開催する展示会を総称したもので、各会場の工夫を凝らしたインスタレーションは大変興味深い。フォーリサローネは今やミラノ市全体のお祭りと化し、その規模は年々拡大していっている。

 「Fuori Salone 2019」(4月8日~14日)に、はるばる日本から参入する岐阜市出身の「Team balanco」に、スポットを当ててみよう。「Team balanco」は日本の造園家、建築家、家具製作所からなる集団であり、今回は「これまでの家具概念を覆す作品」を二つ発表する。まずは「intree table」という不思議な形の室外用テーブルだ。そのコンセプトは「森にいるような感覚」。室外テーブルとはいえ、周囲の人々からのプライバシーもばっちり確保される作りになっていて、オープンカフェなどにもぴったり!なんだとか…。一体どんなテーブル?

 そしてもう一つは「balanco table」。テーブルと椅子が一体となり、なんと大空間に吊られて大きくスイングするという。この前代未聞の大テーブルのコンセプトは「クロスオーバーするもの」(建築と庭と家具の間を揺れ動く)。会議室や食卓でスイングすることでみんなが一つになれる!んだとか…。実に興味深い。

 これら二つの奇想天外な作品のイメージを、まずはFB「Team balanco」とHP「balanco.strikingly.com」にて捉えていただきたい。建築と家具の中間という位置づけで、制作チームはこれらを「furnitecture」という言葉で呼ぶ。そして、これまで既に名古屋大学などに試験的に設置してきたが、今回のフォーリサローネでは市販のための展示に挑むのである。制作チームは「この二つほどイタリアが似合う家具は他にない」と豪語するが、さてイタリア人の反応は如何なものか? 

 「Team balanco」の展示はイゾラ地区のギャラリー「Fonderia Napoleonica Eugenia」とブレラ地区サンマルコ広場の2カ所にて行われる。イゾラ会場では、「Team balanco」メンバーの一人であるEnzo氏(造園家)と長年コラボしてきたイタリア人アーティスト達によるアートワークも、同時に展示される。二つの“イタリアに似合いすぎる”作品と合わせて総合的に鑑賞してみたい。

(Ciao Journal n.18 「イタリアの街角」より)
photo : ©️ tololo studio

 

“Team Balanco”
consist from – landscape architect, architect, craftsman – to create a crossover between them.

「家具、建築、造園」といった既成の枠組みを超えたアイデアを素早く実空間として立ち上げるためのチームです

HP : balanco.strikingly.com

FB :「Team balanco

 

Ryu Matsuyama

 みんなで一緒に旅が出来たらいい


今月のアーティストはミラノ出身のRyu Matsuyama。
ピアノスリーピースでギターレスのポップ&ロックバンド「Ryu Matsuyama」の、フロントボーカル&ピアノ担当。
本名は松山龍平、1988年5月リエティ(ラツィオ州)生まれのミラノ育ち。通称Ryu、ミラノでの愛称はりゅうちゃん。バンド「Ryu Matsuyama」は現在東京を拠点にして活動し、日本全国&アジアで人気急上昇中。

続きを読む

チャオジャーナル講読!Ricevi CiaoJournal!
We respect your privacy.