TENOHA 〜ミラノに「トウキョウ」がやってきた!

 ミラノの中でも特にアーティスティックなゾーンとして人気のナヴィリオ地区。その一角に2018年4月、シェア空間「 TENOHA Milano」が大々的にオープンした。コンセプトはずばり、「トウキョウ」である。

Tenoha Milano

 ミラノで今、シェアオフィスや、カフェや本屋と一体になったオープンスペースなど、いわゆる「シェア空間」が流行の兆しだ。ミラノに住む若者はフットワークが軽い。こういったワークスペースが便利でお洒落と見るや、躊躇なく生活や仕事に取り入れることができる。「おらが国主義」で有名なイタリア人だが、最近の若者は故郷から飛び出てこの町に集まってくると見える。保守的なこの国においてミラノは、他のどの町とも違った特殊性を持っている。

 ミラノは「フィエラ」の町だ。一年を通して様々な見本市が開催される。世界的な見本市があるときなど、フィエラ会場を飛び越えて町全体がアートな雰囲気に包まれる。近年のミラノを活気付けているのは商業アートだ。そしてイタリア全国津々浦々、至るところに潜んでいる才能を開花させるチャンスは、ミラノにある。この町には全国のアーティストが集い、それと共に町自体が変貌と進化を遂げてきた。

 そんなミラノに「TENOHA MILANO」がオープンした。そう、イタリアにおいて日本ブームが炸裂する今、時期を狙ったかのようなタイミングで「東京の創造空間」をイタリアに進出させた。「テノハ」は「てのひら+葉」の意味。「大きな木に魅せられて多くの人がこの場に集まる。その葉の上で心地よく過ごす人は、きっと何かを創リ出す。人が集うと木はまた成長する」。そんな思いがこもったネーミングである。

TENOHA shop

「TENOHA MILANO」の約2500平米の敷地にはショップ、カフェ&レストラン、プライベートオフィス、イベントスペースなどが設置されている。ショップには日本の洗練された美、つまり「日本の伝統文化と職人技の質の高さ」をアピールできるものを取りそろえた。

TENOHA cafè & restaurant

 カフェ&レストランでは抹茶ソフトクリームや抹茶ティラミスが人気だ。

TENOHA co-working space

  また、先日のW杯の対ベルギー戦の際にはコワーキングスペースに大スクリーンを設置。在ミラノの日本人が集結して共に声援を送った。イタリア人には「和」を伝え、日本人には「日本」を感じさせてくれる。我々はこんな空間が欲しかったのだ!

 「創造空間テノハ」の発信地は代官山。そして「テノハ代官山」を運営するのは、「SAYU」という高級イタリア食材輸入会社である。だから「テノハ」はイタリアの味覚を知り尽くしている。さらに、社名の「SAYU」を漢字にすると「佐勇」。なんと1950年に和服の卸売で創業した会社だ。「衣」で始まり「食」、そして「空間」へと歩みを進めてきた。これらのいずれも、イタリアが牽引してきた分野であることを考えると、興味深い。と同時に同社のイタリアへの熱い思いを感じる。

 ミラノに「トウキョウ」がやってきた!きっと私たちの誰もが待ちに待っていた。共に愉(たの)しく上手に使っていけば、青々としたみずみずしい葉が私たちの手の中から育っていくことだろう。

文 • Junko Kataoka

写真 • TENOHA Milano 提供

Via Vigevano 18, Milano
02-80889147
テノハ代官山(TENOHA DAIKANYAMA)
東京都渋谷区代官山町20-23
03-5784-1640
※「テノハミラノ」「テノハ代官山」にてCiao!Journalを配布しています。東京にお住まいの皆さん、「テノハ代官山」でチャオをゲットしてください。

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