クリスマスシーズンのミラノでは、「Artigiano in Fiera」や「Oh bej! Oh bej!」、ドゥオモ広場のクリスマスマーケットなど、ミラノっ子の関心を集める催しが目白押しだ。他にもクリスマス気分を盛り上げるに相応しいイベントは色々あるが、そのうちの一つが「Re Panettone」(パネットーネ王)である。「Artigiano in Fiera」(手作り見本市)のついでに、ミラノエキスポ跡地(Expo2015会場は今はイベントスペースとして利用されている)に行くと、そこにはイタリア各地から集まったパネットーネ職人達の見本市があった。
伝統製法にこだわるこのイベントでは、天然酵母使用の無添加のものしか認められていない。当イベントの発案者はスタニスラオ・ポルツィオ教授といって、2007年に『パネットーネ-クリスマスの主役の歴史と伝説と秘密』(“Il panettone. Storia, leggende, segreti e fortune di un protagonista del Natale” Guido Tommasi Editore)という著書を出版した人物だ。教授のパネットーネへの入れ込みようは大変なもので、この伝統菓子の製造方法をユネスコ無形文化遺産に登録しようと活動する第一人者でもある。