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パネットーネ見本市 – Re Panettone - 

 クリスマスシーズンのミラノでは、「Artigiano in Fiera」や「Oh bej! Oh bej!」、ドゥオモ広場のクリスマスマーケットなど、ミラノっ子の関心を集める催しが目白押しだ。他にもクリスマス気分を盛り上げるに相応しいイベントは色々あるが、そのうちの一つが「Re Panettone」(パネットーネ王)である。「Artigiano in Fiera」(手作り見本市)のついでに、ミラノエキスポ跡地(Expo2015会場は今はイベントスペースとして利用されている)に行くと、そこにはイタリア各地から集まったパネットーネ職人達の見本市があった。

 パネットーネといえば、言わずと知れた北イタリアの代表的なクリスマス菓子だ。その由来には諸説あるが、一番有力なのが、中世の貧しいミラノ市民がクリスマスイブに用意した小麦のパンを発祥とするもの。小麦を使ったパンなど普段は口にできなかった人々も、12月24日だけは大きなパン「パネットーネ」を作り、家族で食べたという。この原型を元に変化していったパネットーネは、1800年代に現在のよく知られる姿のものになったそうだ。

 「Re Panettone」は今回第12回目を迎えた。職人達ご自慢のパネットーネはスタンダードなものから、チョコレート掛けしたもの、ピスタチオ味、あんず味、りんご味、中にはトマトとチーズを使った塩味のものまで。パネットーネと共にヴェローナ出身のパンドーロやナダリンを並べる店もある。入場料と試食、どちらもタダだ。そして会場内で販売されるパネットーネの値段は一律「1キロ26ユーロ」に設定されていた。

 伝統製法にこだわるこのイベントでは、天然酵母使用の無添加のものしか認められていない。当イベントの発案者はスタニスラオ・ポルツィオ教授といって、2007年に『パネットーネ-クリスマスの主役の歴史と伝説と秘密』(“Il panettone. Storia, leggende, segreti e fortune di un protagonista del Natale” Guido Tommasi Editore)という著書を出版した人物だ。教授のパネットーネへの入れ込みようは大変なもので、この伝統菓子の製造方法をユネスコ無形文化遺産に登録しようと活動する第一人者でもある。

 年々大きくなってきたこのイベントには日本からのスポンサーもついている。日本で初めて自家製パネットーネを売り出したベーカリー、「ドンク」だ。30年前にイタリアにその伝統製法を学びに来て、持ち帰ったのだとか。パネットーネも日伊交流に一役買っているわけだ。

文・写真 Kei Kobayashi

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