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5月 18, 2020
Ciao! Journal n.26
7月 12, 2020

「パンテオン神殿」を知っていますか?

 イタリアでは今ようやく、州を越えての旅行ができるようになりましたね。この夏休み、皆さんはどの州に行ってみたいですか?

ここに、ミラノの高校2年生、竹田翔(しょう)君が書いてくれた素敵な文章がありますので、ご紹介します。

パンテオンの中で、お父さんと一緒に

「パンテオン神殿」を知っていますか?

 皆さんは、「パンテオン神殿」という建築物を知っていますか。そしてそれは何のために作られたか知っていますか。また、その構造はどうなっているか知っていますか。今日は皆さんに、それらをお教えしたいと思います。 

 パンテオンは紀元前27年に建設され、「全ての神」のための神殿であると同時に、当時のローマ市民の政治の中心となっていました。平面図を見ると、三つの大事な部分があることがわかります。

①正面に何本も並ぶコリント様式の柱。

②天井の大きな天蓋。五層に重なったもので、一層につき28個のパーツが円状につらなっています。

③天蓋の中心の大きな穴。雨が降ると、水が神殿の中に降って来ます。

天蓋の中心の大きな穴 foto: ©Attila Terbócs/Creative Commons

 それぞれの建築部分には、ちゃんとした意味と役割があります。まず、正面のコリント様式の柱は、荘厳な雰囲気をかもし出しており、この建築物の偉大さを表そうとしております。次に、天井の天蓋の、一層につき28個の大きなパーツは、月相(げっそう)を表しています。月相とは、月の公転によって、地球から輝いて見える部分が変化する様子のことです。この月相のパーツは、③の天蓋の穴と関係しております。天蓋のあの大きな穴は、貯水以外に、天体観測のためのものでもありました。

 そうです。この建築物は、政治の中心地、貯水池、そして天体観察場でもあるなど、全てにおいて重要な場所でした。だが汚染が原因で、水が酸性化して飲めなくなり、パンテオンは貯水池としての機能を失います。また、天体観測場としての機能もいつしか失っていきました。

 ではなぜ、そしてどうやって、長い年月を経ても破壊されることなく、ここまで来たのでしょうか。それは本当に簡単な理由からです。そして正にそうだと思います。それは美しかったからです。キリスト教の力が強まり、多くのギリシャ時代の建物が破壊されていきました。だがこれは違う。パンテオンだけは違う。キリスト教徒はこの建物の美しさに惚れ込んでしまい、壊すのはもったいないと思ったのです、それどころか、キリスト教徒はこの建物を聖地としました。

 すぐれた彫刻家であり、また画家でもあったミケランジェロも、この建物を「天使の設計」と称賛したと言います。だが私はこの建物を天使ではなく、「神の設計」だと思っています。完璧な設計だと考えるからです。

 皆さんも、この美しきローマ時代の建物をどうか見に行ってください、

Sho Takeda(美術高校2年生、16歳