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イタリアで日本の藍染め。モノ作りが戻ってくる「未来」に期待し、まずはファッションの国イタリアで活動を展開する。

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イタリアファッションの中で生きる日本の若者 その②
竹下彬史の場合

 世界最大の家具見本市「ミラノサローネ」訪問が目的で、僕は初めてイタリアを訪れた。2011年のことだ。それ以降、なぜレベルの高いデザインがイタリアから発信されるのかに興味を持った。イタリア文化について勉強を始め、間もなく本格的な渡伊を決意した。
 イタリアのデザイン業界で働くうちに一つの疑問に突き当たった。そしてそれはすごい収穫だった。イタリアのデザインにはいわゆる「高級ブランド」のイメージがあるが、一方でファストファッションも若者を中心にシェアを広げている。しかしその「中間」がポッカリと存在しない。そこに疑問を持ったのだ。この疑問が今の活動の原点となっている。
 僕の活動の一つに、藍染めを用いたワークショップがある。ミラノの庭でタデ藍を育てている。

 あの「蓼食う虫も好き好き」のタデの一種だ。ワークショップでは藍染めのハンカチやスカーフ、更には服やジャケットなどを自分達で作っていくが、重要なのは、藍を育てるところからスタートすることである。藍の種を植え、収穫し、染め上げ、服に仕立てる。全プロセスを自分達の手で行う。気の遠くなるような長い作業だが、コストは布代を除けばゼロ(実を言うと布も自分達で作りたいぐらいだ)。必要なのは時間だけ。昔はこの様な方法で生活に必要なものを作っていた。

 僕は、このようなモノ作りは原始的であると同時に「未来的」だと感じている。高級ブランドとファストファッションのはざまで抜け落ちた中間を埋めていくのは、「自分に必要なものを自分で作る」という発想だと。藍染めも日本の大事な伝統工芸の一つだが、この様な職人仕事が消えていこうとしている。量産品に対して値段で対抗できないからだ。でももし社会が必要とすれば我々の伝統文化は生き残る。 

 モノ作りが戻ってくる「未来」に期待し、ヨーロッパのまずはイタリア、このファッションの国から活動を展開する。

 

SHIBORI LAB

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©️Fraz Photography

竹下彬史(たけした あきふみ)
1983年、京都生まれ。多摩美術大学卒業。渡伊し、ミラノのClaudio Belliniのもとで設計業務に携わった後、2017年に「Shibori LAB」の活動を開始。ミラノと京都を拠点に活動。
(Ciao!Journal no.12 2018年3/4月号より)

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