私たちイタリア人がよく親しんでいる言い回しに “Epifania tutte le feste porta via”というのがある。「 エピファニア は全ての祭りを持ち去る」という意味だ。クリスマスの親戚一同での食事や大晦日の花火は、もう遠い昔のよう。エピファニアはパーティーの終わりを告げ、また新しく始まる日々のルーティンに私たちを連れ戻すのだ。
ヨーロッパの国々を旅行していると、一年を通してのお祭りがイタリアと変わらないことに気付く。そしてその祝い方が国によって様々であることにも。例えばスペインや南米では「El Día de los Reyes」(エル・ディア・デ・ロス・レジェス=エピファニア」の日にはパレードとプレゼント交換とを行う。三博士がキリストに贈り物を持ってきたという聖書の記述にちなんだものだ。ポルトガルではお菓子を食べて踊る。フランスでも北の地域とベルギーでは、ガレット・デ・ロワ(王のガレット。フランジパーヌと果物でできたお菓子)を食べてこの日を祝う。イギリスでは、エピファニーの前夜である1月5日の晩は「Twelfth Night」と呼ばれ、様々な芸術的イベントや舞台が催される。ちなみにシェイクスピアの『十二夜』は、「Twelfth Night」の日に上演するために書かれたと考えられているそうだ。