Geienneffe Editore s.a.s.
ハウルの動く城 Il Castello errante di Howl – A multisensory Experience –
4月28日、Ciao!JournalとOdriuesque社の協同企画で、「ハウルの動く城 Il Castello errante di Howl – A multisensory Experience」というイベントが開催された。
「Odriuesque」はミラノのトルトナ地区に“潜む“素敵なショールームの名前でもある。この「アート200%」の空間の内装はOdriuesque社のAngeloとMarcoによるものだ(この内装を見るだけでも、ここを訪れる価値があるだろう)。アーティスト二人は見事な魔法を使って、その夜訪れた30人のゲストをハウルの世界にいざなったのである。
「ハウルの動く城」の上映前に、Angelo作の特製パフュームを浸したコットンがゲストの一人一人に手渡された。ハウルをテーマとして作った香りの中で、映画を鑑賞してもらうためだ。そして中休みの間に、やはりハウルがテーマの、今度はオリジナルドリンクとフィンガーフードが供された。
卵とチーズで作ったその食べ物の、なんと美味なこと、なんと高級感があること、そしてなんと魅力的なこと。まさにハウルそのものである。映画が終わった後には、この映画に登場する食材であるチーズにベーコン、そして卵を使ったカルボナーラが振る舞われた。
宮崎駿の名作は日本語で上映された(イタリア語字幕付き)。ゲストの多くがイタリア人であったし、中にはこの映画を初めて観るという人もいたのだが、今宵のハウルファン達は日本語での上映を所望したのである。映画の終わりにはディスカッションも行われ、なかなか趣のある意見交換会となった。
ゲストの皆様方の感想を以下にまとめました。ご協力ありがとうございました。
●五感オールインワンとでも言ったらいいのか…。とても不思議でかなり素敵なイベントでした。香り、映像、音楽、料理の心地良い余韻が今も身体に流れて、うっとりしています。五感フル稼働の夜でした。
空間と映画が一体化し、ハウルの部屋に実際いるのかと錯覚してしまう程。ディスカッションでは司会がなかなかうまく、そして内容もアカデミックなものでした。大満足です。
●僕はジブリの大ファンで、是非一度彼女に宮崎駿の映画を見せたかったんだ。このイベントのことを知った時は、迷わず二人分の予約をしたよ。おかげさまで、彼女もジブリにはまったはず。
●わざわざベルガモから来ました。来て大満足です。この素晴らしいOdriuesqueの空間でこの映画を観ることができて、最高でした。また是非参加したいです。
● ただのハウル好き同士の上映会かと思っていたが、出されたお酒とおつまみを口にした途端、「これはただのイベントじゃないぞ」と思った。
これからもチャオとOdriuesqueのコラボで、様々なイベントを企画するつもりだ。日本が誇る他の映画をもテーマにしていきたいと思う。チャオ読者の皆さん、私たちの冒険に是非とも参加して頂きたい。
Team balanco|イタリアに似合いすぎる家具
ミラノの一大イベント「ミラノサローネ国際家具見本市」の季節がやってきた。ミラノの隣町Rho(ロー)市にあるフィエラ会場にて行われる、世界最大級のインテリア&家具展示会だ。そしてその開催に並行して、例年ミラノ市内では「フォーリサローネ」(「見本市の外で」といったニュアンス)が行われる。企業や個々人のアーティストが市内のあちこちに散らばって一斉に開催する展示会を総称したもので、各会場の工夫を凝らしたインスタレーションは大変興味深い。フォーリサローネは今やミラノ市全体のお祭りと化し、その規模は年々拡大していっている。
「Fuori Salone 2019」(4月8日~14日)に、はるばる日本から参入する岐阜市出身の「Team balanco」に、スポットを当ててみよう。「Team balanco」は日本の造園家、建築家、家具製作所からなる集団であり、今回は「これまでの家具概念を覆す作品」を二つ発表する。まずは「intree table」という不思議な形の室外用テーブルだ。そのコンセプトは「森にいるような感覚」。室外テーブルとはいえ、周囲の人々からのプライバシーもばっちり確保される作りになっていて、オープンカフェなどにもぴったり!なんだとか…。一体どんなテーブル?
そしてもう一つは「balanco table」。テーブルと椅子が一体となり、なんと大空間に吊られて大きくスイングするという。この前代未聞の大テーブルのコンセプトは「クロスオーバーするもの」(建築と庭と家具の間を揺れ動く)。会議室や食卓でスイングすることでみんなが一つになれる!んだとか…。実に興味深い。
これら二つの奇想天外な作品のイメージを、まずはFB「Team balanco」とHP「balanco.strikingly.com」にて捉えていただきたい。建築と家具の中間という位置づけで、制作チームはこれらを「furnitecture」という言葉で呼ぶ。そして、これまで既に名古屋大学などに試験的に設置してきたが、今回のフォーリサローネでは市販のための展示に挑むのである。制作チームは「この二つほどイタリアが似合う家具は他にない」と豪語するが、さてイタリア人の反応は如何なものか?
「Team balanco」の展示はイゾラ地区のギャラリー「Fonderia Napoleonica Eugenia」とブレラ地区サンマルコ広場の2カ所にて行われる。イゾラ会場では、「Team balanco」メンバーの一人であるEnzo氏(造園家)と長年コラボしてきたイタリア人アーティスト達によるアートワークも、同時に展示される。二つの“イタリアに似合いすぎる”作品と合わせて総合的に鑑賞してみたい。
(Ciao Journal n.18 「イタリアの街角」より)
photo : ©️ tololo studio
“Team Balanco”
consist from – landscape architect, architect, craftsman – to create a crossover between them.